「ひょうたんなまず」 京都 退蔵院
2009-09-22


親の様子を伺いに、関西に帰っていました。病院やお墓参りなどつきあって、少し空いた時間に、京都散策。今回は花園にある退蔵院の庭園を見に行ってきました。

 如拙の山水画「瓢鮎図」(ひょうねんず)のあるお寺です。この絵は「瓢箪で鯰を捕らえることができるか」という不思議なお題目を足利義持がだし、それに対して如拙が描いたものと言われています。この絵に高僧たちが文章を書いたものも付け加えられています。複製画が飾られていたのですが、絵の下には僧たちの賛が漢文体で書かれ載っていました。(さぞかし機知に富んだ楽しい文章がそろっているのでしょうが、漢文が読めないのが残念・・。

 つるつるしたひょうたんで、ぬめっとしたナマズを取り押さえるなんて、至難の技。捕まえようとする男やふてぶてしい鯰の表情もユーモラスで、ほほえましく笑える作品です。

 現代では、とらえどころがない様子とか、要領を得ないことを「ひょうたんなまず」っていいますが、こんなところから来ているんだなと感心しました。

 退蔵院には、大きな日本庭園もあって、ゆっくり時間を過ごしました。藤棚の下、長いすにすわると木立におおわれた広い池が一望できます。風通しがよく、とても気持ちいいです。どこからか涼しげな音が聞こえます。

 見ると、おもしろい蹲(つくばい)がありました。蹲とは、手を清めるために置かれた手水鉢のことなのだそうですが、(手水で手を洗うときつくばう(しゃがむ)」ことからその名があることを、初めて知りました・・。)手を洗おうと近づくと地中から涼しげな鈴のような音がするのです。近くの看板を見ると、「水琴窟」と書かれていました。

地中に瓶を埋め込んでつくるそうです。手水に使われた水が、地中の瓶の中に落ちて反響し、琴の音のように広がって聞こえる。本当に凛とした震えるようないい音です。昔の人はいろいろと風流なことを考え出して、日々を楽しんでいたんですね〜。
[アート]

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